神宮・遷宮 Q&A
神宮 | 遷宮

 神宮は、「伊勢神宮」や「お伊勢さん」、「お伊勢さま」「大神宮さん」などと呼ばれて親しまれていますが、正式な名称は「神宮(じんぐう)」です。古くは伊勢太神宮(いせのおおみかみのみや)ともいいました。
  「神宮」とは、皇大神宮(こうたいじんぐう)と豊受大神宮(とようけだいじんぐう)の二つの正宮を中心に別宮(べつぐう)、摂社(せっしゃ)、末社(まっしゃ)、所管社(しょかんしゃ)等の総計125のお社(やしろ)の総称です。全国には多くの「神宮」の称号が付くお社がありますが、「神宮」とのみ呼ばれるのは、わが国で最も至貴至高の唯一のお社だからなのです。
 皇大神宮は、内宮(ないくう)とも呼ばれています。御祭神は皇室の御祖神であり、また私たち日本民族の大御祖(おおみおや)の神でもある天照大神(あまてらすおおみかみ)です。
 天照大神は、初め歴代天皇のおそば近くでおまつりされていましたが、第10代崇神(すじん)天皇の時代に、皇居から大和の笠縫邑(かさぬいむら)にお遷(うつ)ししてまつられました。次の第11代垂仁(すいにん)天皇の皇女・倭姫命(やまとひめのみこと)が大御神を永遠にまつる宮処(みやどころ)を求めて、伊賀、近江、美濃等の国々を巡幸されました。そして、垂仁天皇26年(約2000年前)、現在の御鎮座地である伊勢の五十鈴川(いすずがわ)の川上に、「大御神の御心に叶った最も美しい永遠の宮処」としてお鎮まりになりました。御鎮座地は三重県伊勢市五十鈴川上。JR伊勢市駅下車又は近鉄宇治山田駅下車バスで約15分の位置にあります。
 豊受大神宮は、外宮(げくう)とも呼ばれています。御祭神は天照大神の御饌都神(みけつかみ、食事を司る神)である豊受大神(とようけのおおみかみ)です。豊受大神は、私たち日本民族の主食であるお米をはじめ五穀の豊穣、衣食住のめぐみを与えてくださる産業の守護神でもあります。豊受大神は第21代雄略(ゆうりゃく)天皇22年(約1500年前)に、天照大神の「お告げ」によって丹波国(現在の京都府・天橋立付近)から、度会(わたらい)の山田が原に迎えられてお鎮まりになりました。御鎮座地は三重県伊勢市山田原。JR伊勢市駅下車徒歩5分(近鉄宇治山田駅下車徒歩10分)の距離にあります。
 別宮とは、宮号を宣下されたお社をいい、両正宮についで重んじられています。内宮に10所、外宮に4所あります。摂社とは、『延喜式神名帳』(927年)に所載されているお社です。末社とは、『延喜式神名帳』には記載されていませんが、神宮の儀式のことを記した『皇大神宮儀式帳』・『止由気宮儀式帳』(804年)の両儀式帳に記載されているお社のことです。
この他に、正宮及び別宮に係り深いお社があり、これを所管社といいます。
  これらの125の諸宮社は、伊勢、松阪、鳥羽の三市、度会(わたらい)、多気(たき)、志摩(しま)の三郡にわたって御鎮座になっています。

◆神宮宮社の一覧表
所管区分 正宮 別宮 摂社 末社 所管社 別宮所管社 総計(社)
皇大神宮 1 10 27 16 30 8 92
豊受大神宮 1 4 16 8 4   33
2 14 43 24 34 8 125

皇大神宮(内宮)神域図


豊受大神宮(外宮)神域図

◇神宮の祭り
 神宮の祭りの本義は、天皇が御親ら皇祖天照大神(こうそあまてらすおおみかみ)をおまつりされるところにあります。それは、神勅にもとづき第10代崇神(すじん)天皇の御代までは皇居内で、また皇居を離れられた約2000年前からは伊勢の地で、どの時代も皇室の弥栄、国家の安泰、国民の平安、五穀の豊穣を祈るお祭りが変ることなくおこなわれてきました。そのことは、かつては斎内親王(いつきのひめみこ)が天皇に代わって神宮にお仕えになり、現在では、祭主(さいしゅ)が天皇の御手代(みてしろ)としてお仕えになっておられることからも理解できることでしょう。このように神宮のまつりは常に歴代天皇のみ心を体して続けられているのです。
 神宮には年間に千数百ものお祭りがあります。これらの祭りは、恒例祭(こうれいさい)と臨時祭(りんじさい)と遷宮祭(せんぐうさい)とに分けることができます。
 恒例祭とは、毎年定められた月日に行われるお祭りです。その内、神嘗祭(かんなめさい)と6月・12月の月次祭(つきなみさい)は古来、三節祭(さんせつさい)といわれ、とりわけ重要なお祭りです。これに祈年祭(きねんさい)と新嘗祭(にいなめさい)を加えて、五大祭(ごだいさい)と呼ばれます。祈年祭、月次祭(つきなみさい)、神嘗祭(かんなめさい)、新嘗祭には、天皇陛下より幣帛(へいはく)が奉られ、月次祭を除くお祭りには天皇が勅使(ちょくし)を差し遣わされます。
 神嘗祭は、一年で最も大きなお祭りです。祭器具等を新しくし、その年の新穀をまず天照大神にささげ豊穣を感謝するとともに更なるご神徳をいただくというところにこのお祭りの意義があります。
 豊受大神宮(外宮)では毎日、天照大神をはじめ神々に朝夕食事をさし上げるお祭り(日別朝夕大御饌祭・ひごとあさゆうおおみけさい)が鎮座以来欠かすことなく続けられています。
 臨時祭とは、皇室・国家に重大事があったとき、臨時に行われるお祭りです。
 遷宮祭とは、20年に一度お宮を立て替え御装束・御神宝をも新調して、大御神に新宮へお遷りいただくお祭りです。式年遷宮は神宮最大の重儀で大神嘗祭(おおかんなめさい)ともいわれ、社殿や御神宝類をはじめ一切を新しくして、神嘗祭を完全なかたちでとり行うところに本来の趣旨があります。


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