| 鎮地祭 斎行される |
平成20年5月1日更新
|
第62回神宮式年遷宮諸祭行事の一つである鎮地祭(ちんちさい)が4月25日に皇大神宮(内宮)、豊受大神宮(外宮)の両正宮の新宮が建てられる新御敷地(しんみしきち)で斎行された。鎮地祭は新御敷地でおこなわれる最初の祭儀で、いよいよ本格的な御造営がはじまる。
鎮地祭は大宮地(おおみやどころ)に坐す神を鎮めまつり、御敷地の平安と造営の安全を祈願する祭儀。古くは「トコシヅメノマツリ」、または地曳祭(じびきさい)とも称され、日時は天皇陛下が定められる。一般でいうと住宅などを建てる際におこなう地鎮祭にあたる。 皇大神宮の鎮地祭は太陽の光も眩しい晴天のなか斎行された。午前9時前に奥西道浩禰宜以下8人の神職と、頭に木綿鬘(ゆうかづら)を付け紫袴に袙(あこめ)という緑色の装束を着けた物忌(ものいみ)の童女(野村珠己ちゃん・伊勢市立修道小学校3年生)が斎館より参進。五十鈴川のほとりにある川原祓所で忌物(いみもの)、神饌を納めた辛櫃(からひつ)、伏籠(ふせご)にいれた雌雄の白鶏、神職を祓う修祓の儀がおこなわれた。川原祓所での修祓は、今回の鎮地祭と、新宮の竣功をよろこび平安を大宮地に坐す神に祈る後鎮祭と遷御の3回のみ。 修祓と同じ頃に斎館より参進した鷹司尚武大宮司以下神職20人と神宮式年造営庁の和田年弥参事以下8人は、修祓をおこなった神職らと五丈殿前で合流。宮掌2人が副従した忌物、神饌と白鶏は祭場である新御敷地に入り、大宮司以下神職と造営庁職員は、正宮の中重において八度拝の後、物忌とともに祭場に進んだ。 祭場中央にある心御柱覆屋(しんのみはしらおおいや)の前には、皮付の椎の枝を藤蔓(ふじづる)で編んだしもと(木ヘンに若)案と呼ばれる机が設けられ、すぐ脇には白鶏が供えられた。覆屋脇(東側)に黄幣が、また、東北に青幣、東南に赤幣、西南に白幣、西北に黒幣の五色幣が立てられた。 祭場ではまず、物忌と権禰宜が鎮め物である忌物と神饌を覆屋前のしもと案に供へ、権禰宜が御敷地の平安と造営の安全を祈願する祝詞を奏上。続いて大宮司以下神職が八度拝で拝礼した。
刈り初め式 穿ち初め式
忌物、神饌と白鶏が下げられると、物忌が権禰宜の介添えのもと忌鎌を持って祭場中央の黄幣の前に進み、鎌を頭の上に掲げ、草を刈り初める式があり、続いて時計回りに青、赤、白、黒幣の前で同様の所作がおこなわれた。 次に権禰宜が忌鍬を持ち中央の黄幣に進み、忌鍬を振り上げ左・右・左と振り下ろし穿ち初めの式をおこない、四隅の幣でも同様の穿ち初めの式があった。 引き続いて物忌と宮掌は覆屋後方に置かれた忌物の前に進み、物忌が忌鍬を頭の上に掲げ、地中に納める所作をした。 最後に参列者全員で一拝して祭儀を終了した。 祭典には神社本庁の久邇邦昭統理、伊勢神宮崇敬会の豊田章一郎会長、遷宮イメージソング「鎮守の里」を奉納した藤井フミヤ氏など150人が参列した。 外宮も同様に 豊受大神宮の鎮地祭は午後一時から内宮と同様に新御敷地で斎行された。午後1時前、宮掌以下8人の神職と、紫袴に白色の装束と額に白練絹(しろねりぎぬ)の清冠(せいかん)を着けた物忌の童女(久田麻由ちゃん・伊勢市立明倫小学校2年生)が斎館を参進。外宮御正殿前の三ツ石前に設けられた川原祓所で忌物、神饌を納めた辛櫃、白鶏、神職を祓った。 同じ頃、斎館から大宮司以下神職、神宮式年遷宮造営庁の参事以下職員が参進し、正宮の中重で八度拝のあと新御敷地に入った。祭場では内宮同様に五色幣が立てられて祭儀がおこなわれた。
両別宮でも斎行
内宮別宮・荒祭宮では同日の午前11時、外宮別宮・多賀宮では午後3時からそれぞれ鎮地祭があり、5月2日までに内宮、外宮の14あるすべての別宮で鎮地祭が斎行された。
庭作(にわつくり)と山作(やまつくり)
式年遷宮の諸祭行事のうち、山口祭、木本祭など御用材調達に関はる祭儀を山作、または杣作(そまつくり)と称し、今回の鎮地祭のように新宮の御敷地での造営に関はる祭儀を庭作という。 正宮中重で大宮司以下神職と式年造営庁の職員が八度拝をおこなうことは山作と同様だが、山作では正宮での拝礼だけだった大宮司以下参列員は庭作になると新御敷地での祭儀に参列し、その場で拝礼をおこなう。
物忌奉仕の童女「寝れなかった」
皇大神宮と荒祭宮で物忌を奉仕した野村珠己ちゃんは、「昨日の夜はドキドキしてなかなか寝られなかったけど、きれいな着物を着ておまつりに出られてうれしかった」、豊受大神宮と多賀宮で奉仕した久田麻由ちゃんは、「二十年に一度のお祭りでしたので、うまくできるか心配でした」と語った。普段履きなれない浅沓を履いて物忌が参進する姿に、参拝者からは「かわいらしい」などの声があがり、カメラで盛んに撮影していた。
|

物忌の童女による刈り初めの儀

穿ち初めの儀

外宮・三ツ石前での修祓の儀

外宮別宮・多賀宮での鎮地祭

伏籠に入った番の白鶏 奥はしもと案
|
|

|